富士屋の鰻はなぜ美味しい?


富士屋の人気メニュー

『うなぎ』について

毎年、真夏の「土用丑の日」には鰻を食べてスタミナをつける!というのが国民的行事になっていますね。これは、江戸時代に平賀源内が『本日、土用丑の日』という看板を出して、鰻屋を繁盛させたことで広まったのは有名な話です。日本で初めてのキャッチコピーとも言われています。ただ、鰻の本当の旬は秋〜冬にかけてというのを皆さんご存知でしたか?これからますます美味しくなる鰻を是非味わって欲しい!と思い、私が鰻を料理する際に心掛けている事などをお伝えします。

富士屋の鰻は江戸前式

鰻の蒲焼きには江戸前式(関東式)と関西式があり、さばいて素焼きした後、蒸してからタレ焼きするのが江戸前式、蒸さずにそのまま焼くのが関西式です。江戸前式は一度蒸すことで、身がふっくら柔らかい口どけになり、関西式はパリっと香ばしい食感になります。当店では、じっくり蒸して余分な脂を落とした後、高温の備長炭で焼き上げることで、身は柔らかくそのうえ香ばしい風味をまとった鰻を味わって頂けます。しかもうな重に使用する鰻のサイズは4P(約250g)といわれる大きいサイズのもの。身が厚い上に柔らかいので口に入れるとホクホクです!

鰻の産地は主に静岡県産、でも

本当にこだわりたいのは「新仔」

鰻の仕入れ先は静岡県吉田町の問屋さん。南アルプス源泉の大井川水域で、良質な地下水に恵まれた地で育てられた鰻を仕入れています。そして大事なのは鰻の年齢。稚魚を池入れして、半年〜1年程で成魚となり出荷されます。池の中で餌を食べ大きく育ったものから出荷されるのですが、一年を待たずに大きく育った若くて活きの良いヤツら、これが「新仔」です。その後、ゆっくり育って翌年出荷されるのが「ヒネ仔」。時間が経つと身が固くなってゆくので、新仔があるなら浜名湖産や愛知県産、鹿児島県産のものも仕入れます。やっぱり身が柔らかい方が美味しいと思っているので、新仔の鰻を優先して仕入れています。

ちなみに天然の鰻は、大きくなるまで2~3年、1kgを超えるものは10年近く生きているものもいるとか⁉︎こちらは生命力の塊って感じで、力強い味が魅力です。

天然うなぎ

特大の天然うなぎ1kg超え!

串うち3年、裂き8年、焼き一生

鰻屋の修行でよく言われる言葉ですが、業界を問わず何事も経験の積み重ねが大事。とか説教じみた話をするつもりはありません笑。時代にあった新しい感性を大事にしたいと思っているクチです。ただ、改めて思い返せば富士屋で働き始めて15年。毎日鰻を焼いているので、ありがたいことにかれこれ5万~6万回位鰻を焼いてきました。お店に来て下さるお客様のおかげです。今日も明日も明後日も、皆さんが元気になるよう美味しい鰻を焼き続けていきますので、是非ぜひ富士屋の鰻を味わって下さい!

そして、ウナギは生態の神秘から色んな研究がされていて、奥が深〜い生き物です。面白い話もいっぱいあるので、また機会を作って書かせて頂きます!