健やかに 微笑ましく 美味しい時間をお届けします。


四季折々の食材に恵まれ、豊かな自然環境に育まれた「和食」

秋の夜風が気持ち良い。そんな季節になって来ました。

食欲の秋と言われますが、この季節は栄養価の高い木の実や根菜、お魚も冬を前に脂が乗り始め、まさに食材が一番豊富な季節だと言えます。

日本の食材には「旬」というものがありますが、旬の食材を食べることで、体調や栄養のバランスを整える役割もあります。春の芽吹きの季節には、山菜や筍を摂り、軽いアルカロイド(アク、苦味)で、寒くて眠った細胞を呼び起こします。夏の暑い季節は、瓜などの水分の多い食べ物を摂り、体温調整の手助けをする。季節の食材を体に取り込んで自然と調和を図りながら、最適な調理方法で美味しい「料理」に仕上げ、楽しみを演出しています。

 

 

和食ならではの「おいしさの方程式」

現代の日本には世界各国の様々な料理があふれ、一歩外に出れば美味しい食べ物の誘惑が待っています。笑 そもそも人が「美味しい 」と感じるものにはどんな共通点があるのでしょうか?

京都老舗料亭『菊乃井』の村田吉弘さんの著「SALAD 新発想、新テイストの和食サラダ」によると…

’’人がおいしいと感じるものは、油脂分と、うま味成分と、甘味成分=糖質で出来ているそうです。

生後3ヶ月の赤ちゃんが飲む母乳はその3つの成分で出来ていて、脳の快感中枢を刺激してドーパミンという成分を出す。そのドーパミンの働きによってまた欲しくなる。それで赤ちゃんは飽きることなく母乳を飲み続けることが出来る。その感覚は大人になっても残っていて、人がおいしいと感じるものは、油脂分と、うま味成分と、甘味成分(糖質)で出来ている。

世界的な食べ物になっているものを考えてみても、ハンバーガー、ラーメン、ピザ…、いずれも油脂と旨味と糖質で構成されるものなんですね。そして必然的に世界の料理はヒトが美味しいと感じる油脂分を中心に発展してきました。

一方でうま味成分を中心に発展させてきた唯一の民族が日本民族なんですね。それで日本の食事はカロリーが低く、非常にヘルシーなのです。''

  
    ━━━菊乃井・村田吉弘 SALAD 新発想、新テイストの和食サラダ

和食はうま味成分を中心に発展してきた。

だからヘルシー。

なるほど、日本食の中でも人気のメニューを思い浮かべると寿司、天丼、カツ丼うな丼、焼き肉にご飯など、どれも油脂・うま味・甘味が絶妙にマッチします。

その中でも寿司は、素材(魚)の持つ脂肪とシャリの糖質、醤油のうま味でシンプルかつヘルシーに完成された料理ジャンルの一つです。

そうして紐解いていくと、油脂分の代わりに、発酵食品などでうま味を補って、健康的な独自の食文化を発展させてきた「和食」。地域の伝統や文化に支えられ、現代でも世界的に高く評価されている、奥深い魅力に気付かされますね。

和食の持つ魅力は料理だけでなく、行事や風習、地域の伝統工芸、器やくらしの道具などとも関係しています。日々のくらしを「健やかに 微笑ましく」送る為に、和食を通して色々な側面から 発信していきたいと思います。